忘れっぽい [Movie: ファインディング・ドリー] [Book: 仕事道楽 スタジオジブリの現場]

ファインディング・ドリーは傑作でしたね。ピクサー作品ではトイ・ストーリー3が自分の中でのベストだったのですが、ファインディング・ドリーで記録はあっさりと塗り替えられました。




珍しく吹き替えで見たのですが、木梨憲武さんと室井滋さんの声もすごく良く、忘れっぽ過ぎるドリーと、自分の失敗アレコレを重ね合わせて序盤から涙でした。


行動力はあるけどちょろちょろ動いてる間に数え切れないほどの失敗。



私はものすごーく記憶力がありません。
高校で3年間同じクラスで1番仲良かったさきちゃんにすら、「いつか私のこと忘れてそやな」と言われるレベルです。

修学旅行の話とか、みんなが私の思い出を語ってくれると、あぁそんなこともあったんだなと、思い出すのではなく新しく記憶として覚えようとする感じです。
(が、それすらもすぐ忘れます。
部活が辛かったのでその頃の記憶を脳が拒絶してるのかもしれません。笑)


修学旅行でさきと。さすがにさきのこと忘れたら病院いくわ。笑


財布や携帯は数え切れないほど落としてます。でも必ず戻ってくるのが日本のすごいところ。
さすがにお年玉をぽち袋ごと落とした時は帰ってきませんでしたが…。

落とし癖は大人になるにつれ徐々に改善されてきていますが、要するに注意力散漫なのです。







こういう自分の癖があるので、仲良し度バロメーターが作りやすいです。

私のことをしっかりした子だと思っている人は、私のことをあまり知らない人です。

私のことをしっかりしてるけど抜けてる子だと思っている人は、私のことをよく知っている人です。

抜けてる私でも、許して、笑いに変えてくれるのが友達です。

さらに、私が席を立った後忘れ物がないかチェックしてくれる子は親友です。笑


いつもお世話になっております。


それにしても、ちょっと忘れっぽすぎかも…ドリー並…

と思っていた時、スタジオジブリでプロデューサーをしていた鈴木敏夫さんの本に、こんなことが書かれていました。

"やってきたことを覚えていようとは思わない。というより、忘れてしまったほうがいいと思っていて、ときには忘れる努力さえする。「まっさらな状態に自分をおくと次がうまくいく」というのがら自分の中で公式としてあります。"

"大事なのは「いま」「目の前」です。「昔」はもう、どうでもいいんです。宮崎駿=宮さんとはもうかれこれ30年、ほとんど毎日といっていいほど話をしてますが、昔の話はしたことがない。いつも「いま」です。しゃべっていることは、いまやらなければならないこと、そして1年くらい先のことについてです。それだけでしゃべることは山ほどある。

宮さんは忘れることの名人です。それがまた、彼の映画づくりの秘密につながっていると思う。これだけの実績があるわけですから、ふつうならそれを受けて次にいきますよね。自分の手法や技法とか、その震度をより深めるかたちで勝負、という方向で、まず考えるものです。

ところな宮さんはそうじゃない。新人監督のような挑戦の仕方をしています。これは宮さんの作家としての個性だけど、もしかしたら、自分のやってきたことを覚えていないからではないか。"

"ぼくは人間の記憶容量には限度があると信じていて、それならば、その記憶容量話はできるだけ大事なことに当てたい。だから、自分のやったことを記憶するのは必要最小限にしよう、と思っているんですよ。"






もちろんわたしは、鈴木さんのように意識して記憶しないのではなく、ただただ覚えてないだけなのですが、忘れっぽいというのも、案外いいことなのかもしれません。