ガイドブックを読むと必ず出てくる言葉があります。
「Cubaは社会主義の国です。」
なるほど。。。。。?
大学で政治学専攻だったのに、社会主義ってなんだったか、すっかり忘れてしまいました。 資本主義、社会主義、共産主義、民主主義・・・ このあたりの言葉があいまいだったので、自分なりに整理してみました。
間違っている可能性も高いのであんまり信じないでくださいね!
まず、統治体制と経済体制に分けて整理します。
統治体制について
統治体制とは、だれがどうやって国を治める(ルールを制定し、国土や国民をまとめる)か、という話。
君主制/共和制というのは、王様がいるか、いないかで分類されます。
王様や皇帝がいる国は君主制。いない国は共和制。
王様がいる国のなかでも、その王様の権力が法律で制限されているのか、どうかで分岐します。
日本には、天皇という名前の王様がいます。
昔から日本では天皇(朝廷) vs. 将軍(源氏~徳川家)が日本の統治権/政権を争ってきましたが、江戸時代末期に大政奉還(1867年)がおこり、明治天皇に政権が返上されます。
慶喜が大政奉還にあたり出した文章の現代語訳がこちら
何代も続いてきた将軍家が終わることになってしまい、慶喜はさぞ生きていくのが辛かったに違いない。。。
と思ったら、結構余生を謳歌していたみたいです。
【写真あり】徳川幕府最後の将軍が、意外と余生をエンジョイしていた【教科書に載ってない】
その後世界大戦があり、大戦後の1947年に制定された日本国憲法では、天皇は「象徴」的な存在であるとし、統治権を厳しく制限しました。
憲法は全部で103条ありますが、一番最初の第1条~8条は天皇についてです。
憲法は国家の基本的なルールを定めた法律で、国内法規の最上位にあり、他の法律と比べて改定が非常に困難なものです。その最初に述べなくてはならないほど、「だれに統治権があるのか」は重要なことなのです。
大日本帝国憲法では、下記のように書かれていたので、天皇の位置づけがかなり変わったことがわかります。
(出典: Wikipedia 日本国憲法第1条、現代語訳は筆者)
日本は天皇がいるので君主制ですが、その権力を憲法で制限しているので立憲君主制に分類されます。イギリスやタイも同様です。
王様が政権を握っている国は、絶対君主制と呼ばれます。
サウジアラビアなどのアラブ諸国や、バチカン市国などがそれにあたります。
共和制は、統治権が国王や皇帝以外の人が持つわけですが、それも一部のグループの人が持つのか、大多数(国民)で分け合うのかで分岐します。
一党独裁を含み、一部の権力者が政権を行使している場合は寡頭共和制に分類します。
残りの組は民主共和制とします。
(本当は寡頭政という言葉があって寡頭共和制という言葉はなく、民主主義的な共和制と言われることはあっても民主共和制とはあんまり言わないのですが、わかりやすくするための造語です。)
経済体制について
次に経済体制。
資本主義/社会主義/共産主義は、経済をどう管理運理するかというのに使う単語。
先程の統治体制と併存するので、
立憲君主制の資本主義の国もあれば、共和制の資本主義の国もあります。
ううん。ここからはいろいろな学説などがあり、自信ないですが、
ざっくりいうと経済活動にあまり国家が介入しない(市場の原理に任せる)、いわゆる「小さな政府」を目指すのが資本主義、
積極的に介入したり、社会保障(教育や医療など)を充実させて「大きな政府」を目指すのが社会主義。
こう分けると北欧の国も「民主社会主義」など、資本主義を取り入れた社会主義に分類されます。
でも一般的に「社会主義」と呼ばれている国は世界に5カ国しかなく、
中国、キューバ、北朝鮮、ラオス、ベトナム
のみです。北欧より、国家の経済活動への介入が強いです。
で、社会主義と共産主義の違いは・・・社会主義が究極までいったら、みんなで助け合うので政府すらいらないよね、っていうのが共産主義らしいのですがよく分かりませんでした。
社会/共産主義の対義語は自由/資本主義です。
ここまでで、民主主義って言葉が出てきてないのですが、統治体制の話に戻ります。
統治を一定のグループの人が行うことが決まっていない場合(立憲憲君主制や民主共和制)は、
国民で政治をするわけです。ただ、全員で話し合うのは時間がかかるしまとまらないので、代表者を選出してそこで話し合って決めてもらうわけです。
統治をするグループが決まっている場合は、その必要がないけど独裁体制になりがち、という感じでしょうか。
池上彰さんの分類では、各国はこうなっていました。
2015/10/10放送 「池上彰のニュースそうだったのか!!」「国家とはどうあるべき?」内容
ふむ。
キューバの独裁がもう少し民主主義によると、北欧に近いカテゴリーになるわけですね。
キューバが「中南米の北欧」と呼ばれる日も近いかもしれません。
そうなると、もともとの「キューバは社会主義の国です。」のイメージがぐんと変わります。
(ちなみに日本はこの図ではアメリカと同じ分類にいますが、「社会主義と資本主義のいいところどりをしている国」と評されることもあるみたいです。)
この図のなかだと、ノルウェー、デンマーク、フィンランド、ギリシャ、イギリス、北朝鮮、サウジアラビア、カタール、はまだ行ったことないので、
いつか行ってみたいです。
「Cubaは社会主義の国です。」
なるほど。。。。。?
大学で政治学専攻だったのに、社会主義ってなんだったか、すっかり忘れてしまいました。 資本主義、社会主義、共産主義、民主主義・・・ このあたりの言葉があいまいだったので、自分なりに整理してみました。
間違っている可能性も高いのであんまり信じないでくださいね!
社会主義の国、ベトナムからの写真 |
まず、統治体制と経済体制に分けて整理します。
統治体制について
統治体制とは、だれがどうやって国を治める(ルールを制定し、国土や国民をまとめる)か、という話。
君主制/共和制というのは、王様がいるか、いないかで分類されます。
王様や皇帝がいる国は君主制。いない国は共和制。
王様がいる国のなかでも、その王様の権力が法律で制限されているのか、どうかで分岐します。
日本には、天皇という名前の王様がいます。
昔から日本では天皇(朝廷) vs. 将軍(源氏~徳川家)が日本の統治権/政権を争ってきましたが、江戸時代末期に大政奉還(1867年)がおこり、明治天皇に政権が返上されます。
最後の将軍となった、徳川家15代目徳川慶喜 |
慶喜が大政奉還にあたり出した文章の現代語訳がこちら
陛下の臣たる慶喜が、謹んで皇国の時運の沿革を考えましたところ、かつて、朝廷の権力が衰え相家(藤原氏)が政権を執り、保平の乱(保元の乱・平治の乱)で政権が武家に移りましてから、祖宗(徳川家康)に至って更なるご寵愛を賜り、二百年余りも子孫がそれを受け継いできたところでございます。
そして私がその職を奉じて参りましたが、その政治の当を得ないことが少なくなく、今日の形勢に立ち至ってしまったのも、ひとえに私の不徳の致すところ、慙愧に堪えない次第であります。
ましてや最近は、外国との交際が日々盛んとなり、朝廷に権力を一つとしなければもはや国の根本が成り立ちませんので、この際従来の旧習を改めて、政権を朝廷に返し奉り、広く天下の公議を尽くした上でご聖断を仰ぎ、皆心を一つにして協力して、共に皇国をお守りしていったならば、必ずや海外万国と並び立つことが出来ると存じ上げます。
私が国家に貢献できることは、これに尽きるところではございますが、なお、今後についての意見があれば申し聞く旨、諸侯へは通達しております。以上、本件について謹んで奏上いたします。 (Wikipedia 大政奉還上表文現代語訳)
何代も続いてきた将軍家が終わることになってしまい、慶喜はさぞ生きていくのが辛かったに違いない。。。
と思ったら、結構余生を謳歌していたみたいです。
【写真あり】徳川幕府最後の将軍が、意外と余生をエンジョイしていた【教科書に載ってない】
その後世界大戦があり、大戦後の1947年に制定された日本国憲法では、天皇は「象徴」的な存在であるとし、統治権を厳しく制限しました。
憲法交付式典 天皇・皇后両陛下 |
憲法は国家の基本的なルールを定めた法律で、国内法規の最上位にあり、他の法律と比べて改定が非常に困難なものです。その最初に述べなくてはならないほど、「だれに統治権があるのか」は重要なことなのです。
第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
大日本帝国憲法では、下記のように書かれていたので、天皇の位置づけがかなり変わったことがわかります。
第一條 大日本帝國ハ萬世一系ノ天皇之ヲ統治ス
第三條 天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス
(現代語訳)
大日本帝国は世襲制の天皇によって統治される
天皇は神聖な存在なので、その権力を侵害してはいけない
(出典: Wikipedia 日本国憲法第1条、現代語訳は筆者)
日本は天皇がいるので君主制ですが、その権力を憲法で制限しているので立憲君主制に分類されます。イギリスやタイも同様です。
WSJ タイ王室の財産、王位継承で関心の的に 規模は英国やサウジの王室をもしのぐ |
王様が政権を握っている国は、絶対君主制と呼ばれます。
サウジアラビアなどのアラブ諸国や、バチカン市国などがそれにあたります。
共和制は、統治権が国王や皇帝以外の人が持つわけですが、それも一部のグループの人が持つのか、大多数(国民)で分け合うのかで分岐します。
一党独裁を含み、一部の権力者が政権を行使している場合は寡頭共和制に分類します。
残りの組は民主共和制とします。
図にしてみた |
(本当は寡頭政という言葉があって寡頭共和制という言葉はなく、民主主義的な共和制と言われることはあっても民主共和制とはあんまり言わないのですが、わかりやすくするための造語です。)
経済体制について
次に経済体制。
資本主義/社会主義/共産主義は、経済をどう管理運理するかというのに使う単語。
先程の統治体制と併存するので、
立憲君主制の資本主義の国もあれば、共和制の資本主義の国もあります。
ううん。ここからはいろいろな学説などがあり、自信ないですが、
ざっくりいうと経済活動にあまり国家が介入しない(市場の原理に任せる)、いわゆる「小さな政府」を目指すのが資本主義、
積極的に介入したり、社会保障(教育や医療など)を充実させて「大きな政府」を目指すのが社会主義。
こう分けると北欧の国も「民主社会主義」など、資本主義を取り入れた社会主義に分類されます。
でも一般的に「社会主義」と呼ばれている国は世界に5カ国しかなく、
中国、キューバ、北朝鮮、ラオス、ベトナム
のみです。北欧より、国家の経済活動への介入が強いです。
で、社会主義と共産主義の違いは・・・社会主義が究極までいったら、みんなで助け合うので政府すらいらないよね、っていうのが共産主義らしいのですがよく分かりませんでした。
たぶんこう。 |
社会/共産主義の対義語は自由/資本主義です。
ここまでで、民主主義って言葉が出てきてないのですが、統治体制の話に戻ります。
統治を一定のグループの人が行うことが決まっていない場合(立憲憲君主制や民主共和制)は、
国民で政治をするわけです。ただ、全員で話し合うのは時間がかかるしまとまらないので、代表者を選出してそこで話し合って決めてもらうわけです。
統治をするグループが決まっている場合は、その必要がないけど独裁体制になりがち、という感じでしょうか。
こういうこと? |
池上彰さんの分類では、各国はこうなっていました。
2015/10/10放送 「池上彰のニュースそうだったのか!!」「国家とはどうあるべき?」内容
ふむ。
キューバの独裁がもう少し民主主義によると、北欧に近いカテゴリーになるわけですね。
キューバが「中南米の北欧」と呼ばれる日も近いかもしれません。
そうなると、もともとの「キューバは社会主義の国です。」のイメージがぐんと変わります。
(ちなみに日本はこの図ではアメリカと同じ分類にいますが、「社会主義と資本主義のいいところどりをしている国」と評されることもあるみたいです。)
この図のなかだと、ノルウェー、デンマーク、フィンランド、ギリシャ、イギリス、北朝鮮、サウジアラビア、カタール、はまだ行ったことないので、
いつか行ってみたいです。