インド人と日本人企業戦士の生活格差 [12カ国目: India]

社会人になり始めて行った海外は、インドのバンガロールだった。

バンガロールは「インドのシリコンバレー」と言われるIT都市で、工科大学が集中しており、優秀なエンジニアを求めて多くの外資系企業も進出している。

日本で言うと、愛知県の740万人と大阪府の880万人との間くらいの人数。


みんなとってもフレンドリー。カメラを見ると写真撮って!とお願いされる。
なぜかいつも真顔だけどあとで画面を見せるととても満足げ。


インドでの開発の遅れをサポートするために、プロジェクトメンバーの何人かがインドに行くことになり、「行きたい!」とはりきって手を挙げた。



その時点のプロジェクトロール的にそこまで行く必要はなかったのだが、「若手に頑張ってほしいし、通訳も必要だし」ということで行けることになった。

連れて行ってくれた上司に感謝した。


初めのうちは。


はりきって現地入りしたのに、お客さんに挨拶しに行った次の日に早速事故った。

車内で寝ていたわたしは自分の頭頂部が天井に当たって目が覚めたのだ。

どうやらプロジェクトメンバーで乗っていたタクシーが後ろから追突されたらしい。後ろの窓が割れている。


バンガロールの道路事情はこんな感じ。舗装されてない部分があったり。

牛車が走ってたり。
バイクの4人乗りはもちろん。
もはや何人載ってるの?!って車も。


「事故か、わちゃー、怖かった。」と思ったら、本当に怖いのはそこからだった。

追突してきた車が逃げたため、怒り狂った運転手が映画さながらのカーチェイスをはじめたのだ。

一緒に乗っていたプロジェクトメンバーが運転手の様子を見て怯え始め、
寝起きで半分寝ぼけていたわたしは、とりあえず「大丈夫ですよ」と言っていた。

以前エジプトで車が3回転(横転)する事故にあったことのある経験上、ちょっとぶつかったぐらいなら大丈夫やろ、とぼんやり思っていた。


が。


検問にいる警察を突破し始めたあたりからさすがに目が覚めた。
これはまずい。

そこからは必死に運転手に、

プリーズカームダウン~
これでまた事故って誰かを殺したらやだよね、やめて~

と懇願しまくって、運転手が鼻息は荒いものの落ち着いてくれたので助かった。


おそろしや。


その後、日本人看護婦がいるらしいと紹介された病院が異常にぼろかった。
「点滴とか血液検査とか注射系だけは絶対に避けたい!」
と思って、インド人のお医者さんが何か道具を取り出す度に、針はやめて!!!とヒヤヒヤしたのも、事故と同じくらいおそろしかった。



とはいえ、バンガロールはインドでは「ガーデンシティ(庭園都市)」と呼ばれているくらい、いろんなところに花が咲いていてきれい。

ローカルな市場ではたくさんお花も売られている。

花を摘んでいる人、すごい体柔らかくない?


その後も3回に渡りインド出張となり、そもそも炎上してるからインドにサポートに行くのであって、現地の仕事がきつかった・・・。


終電ならぬ終タクを逃し、トゥクトゥクを探し夜中にさまよう、なんてこともよくあったし、
(夜中になるとタクシーを呼んでもなかなか来てくれず、「来る来る詐欺」にあう)


お昼ご飯の日本食弁当にあたってプロジェクトメンバーがほぼ壊滅したり、
(わたしは胃腸がすこぶる強かったのと、毎日ローカルな社員食堂で食べていたので免れた)


四つ星ホテルで雨漏りしてPCが壊れたり、


空港の税関でいちゃもんつけられて本来払わなくてもいいお金を払ったり。


日本人が頭に500円玉サイズのハゲをつくりながら必死に働いてる横で、インド人には普通に帰られ、

(転職市場で引く手数多な彼らは、嫌になるとすぐ辞めてしまうので、あまり強く言えない)

重要なミーティングだから出て欲しいと頼んだら、家族を大切にする彼ら、「その日は子どもの授業参観だから絶対に無理」と言われ。

休日に何してるか聞いたら、地下の防音室でバイオリンを弾いたり、ホームシアターで映画を見たりするという。



インドの人は家族をとっても大切にする。父親の育児参加率が高かった印象。
先述の授業参観に絶対行くと行っていたのも男性。いいね!

インドの映画館。みんな映画大好き。

(最近のインド映画はとてもクオリティが高い。詳しくはこちら。最近のインド映画がアツい [Movie: 3 idiots, The Lunchbox])



なんか、とっても人間らしい生活!!!


その頃のわたしは、疲れすぎて金曜の夜中倒れるように寝て。

起きたら土曜をスキップした日曜の朝で、大事な休日を潰してしまって悲しいと半泣きになり、ルームメイトのもなおになぐさめてもらう日々。



彼らより先進国に住み、給料も高いはずなのに、
生活の豊かさという面で、著しく劣ってた。


豊かさって、なんだろうと、とても考えさせられたのでありました。
(その後休暇でドイツに行き、その空間的・時間的・経済的豊かさを肌で感じて、それもまた考えさせられる瞬間だった。)


もちろん、彼らはインドの中でも豊かで限られた一部の人たちだと分かっているし、
今はわたしも生活改善したので、そこまで思わないけどね。


出張行く時もなおがくれたスペシャルパイの実。ありがとう〜めちゃうれしかったで!

もなおとは一緒に南米も行けたし!クレイジーガール。


そんなインドに3月また行くことになりそう。


あれから早や5年、久しぶりの街や人がどんな風に変わってるのか、楽しみです。


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