ヨーロッパの業務が集まる国 [32カ国目: Romania]

前回ブログを更新してからしばらく間があきました。

その間、アメリカ(ニューヨーク・サンフランシスコ)、ルーマニア(ブカレスト・ブラショフ)、アメリカ(オーランド)、香港、マカオと出かけており、これまでに訪れた国数は合計34カ国になりました。

ルーマニアには仕事の研修で行かせてもらいました。

会社のルーマニア人の同僚が案内をしてくれた



ルーマニア伝統衣装を着たバービー


研修は、アメリカ(ニューヨーク)、インド(バンガロール)、ルーマニア(ブカレスト)の3ヶ所で行われていて、飛行機を調べてみるとどこにいっても大して値段が変わらず。どこで参加してもいいよと許可をもらったので、迷わず行ったことのない(そしてなかなか旅行する機会もないであろう)ルーマニアを選びました。


ルーマニアはバルカン半島に位置し、ウクライナ、ブルガリア、セルビアに囲まれた国です。 行くまでは、どこにあるのか、どんな雰囲気なのか想像がつきませんでした。

(一時期話題になっていた首都ブカレストのマンホール・チルドレンくらいしか知りませんでした。。。)

行くまで分からなかったという意味では、エストニアの旅と同じですね。

ルーマニアには業務のアウトソーシングセンターがあり、主にヨーロッパの業務を担う大きな拠点になっています。

訪問した時期は2015年の11月。首都ブカレストのナイトクラブでの火事で45人が死亡、消防設備の整っていないナイトクラブに営業許可を出した責任をとって区長と首相が辞職し、政治腐敗を訴えるデモが国中で行われているタイミングでした。

"この事故が契機となり、7月に脱税や資金洗浄などの罪で起訴され、腐敗が批判されてきたポンタ首相らへの大規模な抗議デモが起きた。イギリスのガーディアンによると、11月3日には約2万人が参加。穴の空いた国旗(1989年にチャウシェスク政権に民主化を求めたデモで使われ、ルーマニア民主化のシンボルとなっている)を掲げ「恥を知れ」「虐殺者」と叫んだ。"
(The Huffington Post, 2015年11月9日)

そんな時期的なこともあって、街中は人気が少なく静か。
ルーマニア人の会社の同僚たちに街を案内してもらいながら、ナイトクラブの事件や国の歴史について聞きました。

いつもは座る席がないくらい賑わうそう。

中世にはオスマン帝国やハプスブルク家の支配を受け、世界大戦後はソ連の圧力により共産化、その後1989年に民主化した国。

現在はEUに加盟していますが、通貨はユーロではなくレイ(単数形はレウ、通貨記号はRON)を採用しています。

人口の30-40%が第一次産業に従事する農業国で、最近はヨーロッパのアウトソーシングセンターなどの進出がさかん。

アウトソーシングセンターができる理由のひとつは、その賃金のやすさです。
少し古いですが、JETROの資料をみると
"ルーマニアでの、この相対的なコスト競争力は優位性のひとつだ。
具体例を挙げると、生産ラインのオペレーターを1名雇用する際の雇用側の総負担額(社会保障費等全て含む)が、年間5,000~6,000ユーロ程度で可能な場合もある。…現在の労働コストについて、欧州複数国に生産拠点を持つ日系製造業(自動車部品)関係者は「企業の総負担額でみた場合、各種のフリンジ・ベネフィット、福利厚生費等を考慮すると、ドイツ人1人分の賃金でルーマニア人10人を雇用できる。ルーマニアは大変重要な生産拠点だ。」と評価する。"
(「ルーマニアのビジネス環境」、JETRO、2011年8月

物価は日本と同じくらいだと感じたのでこの賃金差は「ほんとに?」と思いますがデータがそう言っているのでそうなのでしょう。

国も国際競争力強化のために外国語教育に力を入れていて、公用語のルーマニア語と第一外国語の英語に加えて、スペイン語、ドイツ語、フランス語など第二・第三言語を喋れる人が多くいました。
ルーマニア語は、スペイン語やイタリア語のラテン系と似ているそうです。

優秀な人材が、複数言語しゃべれて円滑なコミュニケーションができ、かつ安く働いてくれるので、Googleなどの外資系企業が積極的に研究拠点を設立しています。

さらにおいしいワインも生産している。そりゃ魅力的ですよね。

ブカレストにはおしゃれなお店や、旧社会主義時代の建物などがあり、興味深かったです。
が、前述のデモの時期だったせいか、それとも東欧(特にバルカン半島)独特の雰囲気なのか、それとも天気のせいなのか、少し街は暗く感じました。

少し暗い雰囲気があります。

おしゃれなカフェ
世界で2番目に大きい建物の国民の館(Parliament Palace)。社会主義の時代に建てられたものです。(ちなみに世界で1番大きいのはアメリカの国防省ペンタゴン。)

ホテルで何かの撮影中のよう。

土日を使って少しだけ遠出もしました。

アメリカAmtrakの投稿でも書いた通り、旅行ではすきあらば電車に乗ろうと決めています。

今回も鉄道で4時間ほどかけてブラショフという街に行き、ドラキュラのモデルになったといわれる伯爵が住んでいたブラン城に行ったり、ブラショフからブカレストに戻る途中のシナイアという街でペレシュ城も観光しました。

ルーマニア鉄道(CFR)。予約サイトが途中ルーマニア語に切り替わるのに振り回されながらチケット予約。


ブラショフの街並み。ブカレストより好きだった。

ドラキュラ伯爵の住んでいたブラン城。

ブラン城内部はこじんまりとしていて、伯爵に親近感。


この旅で改めて気付いたこと、それは・・・・・・・・・

やっぱり旅行はだれかと行くか、
だれかに会いに行くための旅行にするかが、
自分には合っているな、ということです。


前からなんとなく気付いていましたが。
今回は出張がメインで1人旅は数日でしたが、すぐに寂しくなってしまいました。
(ブカレストでは会社の現地友達が相手をしてくれて、、、ほんとにありがたかった!)

実は今までも、道中たまに1人旅というのはあっても、最初から最後まで1人、というのはやったことがありません。

そろそろ気の合う友達と好きなところへ旅に出たいところです。


デンマークでプロダクトデザインを研究する旅や、
イタリアでテイラーをしている従兄弟を訪ねる旅、
グレート・バリア・リーフなど大自然を満喫する旅・・・

妄想はつきませんね。

次回は、1人旅で思い出した、モロッコについて書きます。